職業・箱屋 箱を作るお仕事してます
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つい 先日のことのように感じます
今夏の 暑くなる少しほど前
こんな具合の見学会が催され
多くの方が見に来られ
あぁ無事に完成して良かった
施主さまに喜んでいただけて良かった と
ほんの前に お引渡しを済ませた箱が
住宅特集10月号「若手建築家の目指すもの」
というテーマに載りまして
これも ありがたき一冊として書棚へ並べ
私の老後の自慢コレクションに 追加 させていただきました
「若手建築家」というテーマですから
今号に掲載の皆さんは設計業界では若手と呼ばれる方々で
プロフィールを拝見すると1980年代生まれが中心の 40歳前後
今回 現場監督も箱屋の最若手が担当いたしまし
偶然にもテーマに沿えたように思います
そのうちこの業界も
30代前半の皆さんや20代の方や
驚異の10代が出て来たりしてくれると楽しいのですが
でもそんな若手建築家のお仕事は
私のような「古手」ではなく
もはや「若手現場監督」に任せるべきなのかしらん
と おもふ 初秋の夕暮れ
しかし
若手という言葉に反応してしまう歳になってしまったのね と
しみじみに 黄昏れて
それでも ただでは起きず 転んだふりもせず
新たに「古手」という言葉を覚え 語彙力上げて
雑誌への掲載とともに 収穫の秋をいただきました
今週 大村さんは旅行で不在だし
金子くんは体調を崩してお休みだし
事務の大西さんは「今週の出勤は木曜日だけになります」
って言ってたし
元々 事務所に全員揃うことは少なくて
特に昼間は現場へ出ていることも多くて
揃って事務所にいる時でも
みんな黙々と自分の仕事をしているのが日常で
だから事務所で一人ぼっちも珍しくは無いのに
あぁ今日はみんな いないんだ
と気付くと なかなかに寂しいのは
箱屋が一人ではない からなんだと思いました
イカスミをそのまま塗り付けたような
真っ黒な玄関ポーチ
より黒く というリクエストに応えようと
左官屋さんは 工夫を凝らして挑戦をします
部材の配合に 当日の気温や湿度
下地の湿潤も関係あったでしょう
写真にも見て取れるように 日当たりの差の影響も大きく
その黒さから来る材料そのものの温度上昇も否定出来ません
諸条件考慮の末の施工でしたが
とにかくうまく仕上げることが出来ませんでした
左下隅に写る 心折れグッタリとした様子の左官屋くんは
私などが手前味噌を加える必要のない
確かな技術を持った職人さんです
その彼の判断を信頼した上で 失敗は失敗として受け止めて
次に彼がこの失敗をどうリカバリーしてくれるかを
私はとても楽しみにしています
私たちは紙一重のところで
失敗の恐れと向き合い共存する仕事をしています
事前にふせげる失敗を回避することは
すべてのお仕事の基本でありますが
失敗を恐れず挑戦することも 同じくらい
お仕事の基本だと思っています