職業・箱屋  箱を作るお仕事してます
<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
祝 晴れ男

何と言っても 梅雨の真っ只中

担当大工は言わずと知れた 雨男

 

 

そんな季節でも 建前となれば好日にするのが

私の役目 晴れ男

 

 

予定通りの良き日に

建前を迎えることが出来ました

 

 

 

想定はしていたものの

思うより手の掛かる建前になりそうな予感は

 

 

この太い M20のボルトや

 

 

特製の分厚い座金を取付ける際に感じておりました

 

 

低めの1階部分を固めるまでに手間取って

 

 

 

2階部分の 階高4mに手こずって

 

 

まだ夏の暑さに慣れていない体が 少々重く

 

 

それでもこの季節の陽の長さに甘え

暗くなる手前 時間のいっぱいまで

 

 

箱屋初 斜めの柱を持つ箱が

予定のところまで建ってくれました

 

 

 

 

 

 

まだ明けぬ梅雨の空 室内だけはやたら青く

 

そして このブルーシートが外れ

室内の青が空へ移る頃

 

箱の全容を捉え

造るべき方向も見えて来ることでしょう

 

 

設計者の自宅というテーマのこちらの箱

 

最初に声掛けいただいてからこの日まで

まぁまぁの年月があり

それこそ途中 設計変更などもありながら

根気よくたどり着いた 建前の日

 

その思い入れとこだわりを粛々と受け止めながら

 

その上で

私たちの知恵も利用していただければ

施工を頼まれた甲斐もある というものでございます

BBを一滴

BBと言えば

 

キング!と答える人や

フェラーリを思い浮かべる方とか

まさかのブリジット・バルドーと解く御仁など

 

さて 私にとってのBBは

映画「ブルース・ブラザース」の他になく

先日の 太陽の塔 同様 私の中に溶け込んでいます

 

幸いにして 記憶力に難のある私は

同じ映画を何度見ても新鮮に楽しめるという特技があり

 

このたび 午前十時の映画祭で上映された

「ブルース・ブラザース」を

何度見たかこれまた忘れてしまい ありがたく

初回の心持ちで楽しんで参りました

 

もちろん流れる音楽は曲順含め

全て耳の奥に常備されていますし

 

アレサ・フランクリンの不機嫌そうな顔は左目の奥に

レイ・チャールズの発砲シーンは右腕上腕に

そしてパトカーの次から次への大転倒シーンは

いつでも再生可能な前頭葉に

それぞれ配備されているのですが

 

それでも 何度見ても新鮮に見てしまうのが

この映画の素敵なところ

 

もし私に43万円ほどのあぶく銭があったら

Amazonで売られていた

この等身大ブルース・ブラザース フィギュア

 

 

399,600円+送料30,000円を買ってしまいかねないほど

と お伝えしたらその気持を分かっていただけるでしょうか

 

7月上旬に夏風邪の高熱にうなされ

疲労が困憊でヨタヨタの虚弱な体へ

BBを 一滴

 

私にとっては 夏を乗り切り

秋まで行けそうなほどの特効薬でした

手のあとがいっぱい

 

楽しそうな小部屋を持つこちらの箱

 

 

 

 

外観はおおむねの形を見せ始め

 

 

各所多々 手の跡をたっぷりと残しつつ

幾多の打合せを盛り込みながら

 

 

完成へと進んでいます

 

 

 

 

これら写真に載せた各部の納まりが

現実の現場へ はめ込まれるまでに掛けられる時間は

それはもう 気の遠くなるほどで

 

 

まず設計者の元の図面があり

それを現場監督が施工図として

細かな寸法までを詰めた図面に表現します

 

その後 その施工図を再度設計者と調整しつつ

 

ともすればこの段階で違う案が出て来たりして

施工図を書き直したりして

もう一度打合せをしたりして

 

ようやく決まったところで材料を発注し

材料が届くのを待ち

 

届くまでの間 大工さんが施工図を読み取りながら

下地を造るなどの準備をし

 

 

材料が届いたところで

大工さんが加工を始めるのですが

 

 

施工図で寸法を詰めたつもりでも

現場で予期せぬことが起こったり

大工さんが加工を微調整したり

 

 

その経緯の後に出来る この窓枠1ヶ所

 

私はつい手を合わせて 拝んで しまうのです

昭和は遠くなりにけり

大阪と言えば これ

 

 

コレ

 

 

大阪を訪れたのは

前回の大阪万博 1970年以来の 49年ぶり

 

そのころ私 幼稚園児

連れられるがままの人混み・雑踏しか記憶になく

大阪に行ったことがある

などとは とても言えたものではありませんが

 

そんな大阪万博において

私の無意識に沈泥 溶け込んでしまったのが

この 太陽の塔

 

写真を見ただけでワクワクしてしまうのですから

三つ子の魂 恐ろしや

 

 

6月のある日曜日

知り合いの設計士氏に誘われて 「関西若手の仕事」なる

大阪で催された建築の企画展へ

 

普段より東海地方から出ることの無い私ですが

関西の設計・芸風はどんなものかしらんと

興味を持ってのこともありつつ

何よりその設計士氏との久方ぶりの再会を楽しみに

 

そして大阪と言えば あれを見に

 

 

 

49年ぶりに見た彼女は 何も変わらず

 

両手を上げて へそ曲げて

 

往時の日本が 万国博覧会のど真ん中に

これを造り 突き刺したことがあまりに美しく

 

そして残ってくれていることがただ 喜ばしく

 

今回の大阪行で半世紀前の邂逅を回収し

もう半世紀…までは無理としても

あと四半世紀くらい

 

私の無意識に再び塔を埋める旅を楽しんで参りました

建前近し

 

見た目よりも 想像するよりも

ズッと大変だという施工の一例です

 

 

 

コンクリートを流し込むまでは 夜も寝られんわ

 

と言っていた我らが岡田さん(基礎担当)は

 

 

 

 

7月8日の このコンクリート打設後には

しっかりと眠ることが出来たのでしょうか

 

 

さて 建前は7月17日

準備は着々と進んでおります

 

 

 

岡田さんは まだ少しくたびれています

コンクリート三昧

鉄筋を組んで

 

 

型枠で囲い

 

 

コンクリートを流し込む

 

 

こちらの現場ではこの一連の作業を

あと5回?いや6回かな

 

ひたすら 精度高く 繰り返すことになります

 

 

先回流し込んだコンクリートの

型枠を外した後に現れた あまり見掛けない肌合いは

建物の全体像の見えない現時点において 異質とも感じますが

 

ただ今後見えてくる建物がこれ以上に挑戦的であるため

きっと溶け込むように馴染んでくれるのだと理解しています

 

あと6回 コンクリートを流し込むたび

徐々に建物の規模が見えて来る

 

木造住宅(しかも平屋)でありながら

なかなか建前にたどり着けないじれったさを抱え

 

それでも根気良く コンクリート三昧の夏を続けるのです

安城 初上陸


 

敷地が平らであるという事案は

施工に当たっての特筆すべき条件で

 

 

 

そんな場所で始まる木造2階建ての工事は

 

 

あっという間に過ぎて行った

6月を象徴するかのように

 

 

6月の終盤からの2週間ほどで基礎も完成し

あとは建前を待つばかり

 

この度の設計士さんは初めてのお手合わせ

大阪からの遠距離管理をお願いすることとなりますが

レスポンスの速さには担当の金子くんも リズム が合うようで

 

そのまま このまま リズミカルなまま

 

これを今回のテーマとして楽しく進むことを願っております

 

毎度工事のスタート時点は検討することが多く

図面とにらめっこの時間が続くのですが

この時点でしっかり検討しておかないと手遅れにもなりかねず

 

作業手順や材料の使い方に

天候気候の諸条件を加味しつつ

完成までの道筋を造る それが現場監督さんのお仕事

 

そこへ ひとさじ加えて 箱屋のお仕事