職業・箱屋 箱を作るお仕事してます
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どうやら私は大阪万博へ行っているらしく
「どうやら」と書いたのは
ほとんど記憶がないからなのですが
動く歩道の印象は
客観的なニュース映像だった気もするし
人混みのすごさで有名な 月の石は
見ていないはずだし
それでも大阪万博へ行っている以上
太陽の塔 の足元を
通っていることだけは間違いなく
当時5歳だった私に
あのすねたような口元は強く刷り込まれたようで
そののち10歳時
小学校の陶芸の時間に造った器の底に
塔の顔が現れていたのは
軽くトラウマとして残った証左でしょうか
人類の進歩と調和 という万博のテーマに
反発するような
意志の強そうな鼻柱 曲がった口元 シワの寄った眉間
背中に描かれた入墨のような黒い太陽が
何を伝えようとしていたのか
歳を重ねるごとに 再び気になっていた
トラウマの塔の
内部見学のニュースに
そわそわとしていたところへ
こんな映画が
いそいそと出掛けて参りました 10月の日曜日
もっと造られた経緯とか製作の様子とか
丹下健三とか黒川紀章とか
見せてくれたら嬉しかったのですが
映画の主軸は
岡本太郎と太陽の塔に対する論評で
十数人の専門家が今の時代と塔を重ねて
推察するインタビュー映画
一部 あまりに太陽の塔を神格化する論評に
違和感を覚えたりもしましたが
それでもトラウマの塔で気になっていたことが
少しは分かったような気になりました
それはともかく
大きなスクリーンで存分に
塔の映像を見られたことが
何より私にとっての 芸術の秋
今年終盤を乗り越える力となってくれました
始まる現場があれば 終わる現場もあります
終わると言っても工事が終わるだけで
施主さまにとっては始まりの瞬間
工事の終盤まで 照明器具の取付高さなど
笑顔で打合せさせていただけたのも
楽しいひと時として記憶に残ります
お引渡しの日の後
カーテンコールのように
引き続き 外構工事を施工させていただきましたが
それも終われば 静かに エンディング
幕が降りるとともに
私たちは退場します
毎度のことながら この瞬間は
寂しいようなホッとするような
現場との付き合いは一区切り付きましたが
これから住宅との付き合いが始まります
何かと手の掛かる箱もあれば
あまり手の掛からない箱もあったりで
それでも どの箱もかわいいのは
子供と一緒
現場監督を長くやっていると 不思議なもので
よその(工務店が建てた)箱まで
かわいく思えるようになったりして
それはともかく
完成までありがとうございました
これからも
末永くのお付き合い よろしくお願いいたします
やはり 物事を決めるにあたっては
このように現場で図面を広げます
もちろん 横では大工さんが仕事をしています
そこに加えて
お兄ちゃんと双子の妹ちゃんがいるくらい にぎやかな方が
打合せもはかどるというものです
服部信康建築設計事務所さんの
秋季オープンハウスシリーズが開幕し
私もこの週末 参戦させていただきましたが
この状態の 打合せ風景などを
オープン現場 するといいんじゃないかなと
【ホントの現場 お見せします】 とか
【実録 現場 24時!】とか
ナイトZOOならぬ 【夜の現場探訪・深夜の土間押え】とか
【夜の現場探訪その2・今夜は器具付け/明日は引き渡し編】
など
建物に興味を持っていただくのと同じように
物を造る過程を知ってもらう機会も考えていきたいですね