職業・箱屋 箱を作るお仕事してます
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何と言っても 梅雨の真っ只中
担当大工は言わずと知れた 雨男
そんな季節でも 建前となれば好日にするのが
私の役目 晴れ男
予定通りの良き日に
建前を迎えることが出来ました
想定はしていたものの
思うより手の掛かる建前になりそうな予感は
この太い M20のボルトや
特製の分厚い座金を取付ける際に感じておりました
低めの1階部分を固めるまでに手間取って
2階部分の 階高4mに手こずって
まだ夏の暑さに慣れていない体が 少々重く
それでもこの季節の陽の長さに甘え
暗くなる手前 時間のいっぱいまで
箱屋初 斜めの柱を持つ箱が
予定のところまで建ってくれました
まだ明けぬ梅雨の空 室内だけはやたら青く
そして このブルーシートが外れ
室内の青が空へ移る頃
箱の全容を捉え
造るべき方向も見えて来ることでしょう
設計者の自宅というテーマのこちらの箱
最初に声掛けいただいてからこの日まで
まぁまぁの年月があり
それこそ途中 設計変更などもありながら
根気よくたどり着いた 建前の日
その思い入れとこだわりを粛々と受け止めながら
その上で
私たちの知恵も利用していただければ
施工を頼まれた甲斐もある というものでございます
5月16日(はれ 時々 くもり)
これは今回Tさま邸で使用する木材です
どの柱をどこへ使うか 確認するために
新城市の木材加工場へ行ってきました
林業と木材加工は切っても切れない関係で
その土地その土地 多くの方が
日本の山を守るため 頑張ってくれています
特に加工木材の品質については「乾燥」が重要で
今回この加工場でも
様々な工夫と信念を持って取り組んでおられました
私たちはそのおかげで
良質な材料を使うことが出来るわけで
今回のテーマ 「県産材で家を造る」
という方針は こういった山を守る人たちの努力で
実現できるのだと 実感した遠足でした
日頃から「造る現場」を見てほしいと言っていますが
こうした自分たちの現場とは違う場所でも「造る」は動いていて
多くの人の「造る」に支えられていることを感じます
林業を身近に感じる機会は少ないのですが
木材を育て 加工して 使う という流れの中で
私たちも林業の一端を担っているのだと
思うようにします 。
初めてお声掛けいただいたのは
かれこれ1年半ほど前になりましょうか
世間一般の家造りから思うと
設計から着工までに1年半も掛かるというのは
「何ぞトラブルでもあったのかしらん」
と思われてしまう年月でありますが
これといったトラブルもないのに設計から着工までに
4〜5年掛かることもあったりする 我が特殊住宅業界において
1年半という年月は 多少長めかな?
という程度の準備期間
プランの変更などの紆余曲折は当然のごとくありましたが
消費税の増税へ巻き込まれる前に
契約→着工へとたどり着けました
現場前面の道路はなかなかの坂道で
敷地の形状は旗竿地
周辺は「高級な」という形容詞が似合う住宅街
設計士さんの自邸という設定の
箱造りが始まります
まずは何より箱屋にとって
令和第一号の建前になるであろうこちらの箱の
工事中の安全と無事の完成を 強くお願いしたところで
1年半の設計期間を経た箱の工事を
連休の合間を縫いながら開始いたします