斜面で施工をすることも多い箱屋ですが
ここの斜面具合は スケールが違います
簡単な断面はこんな具合
早い話 木造5階建て
江戸時代中期には すでに遊郭として
賑わいを放っていた建物に
令和の今 宿泊できるというお話です
当時をしのぶ なんてものではなく 往時そのまま
一部朽ちているところもあり
立入禁止の区域もありで
タイムスリップで時空が歪んでいるのかと思いきや
建物全体が歪んでいて 真っ直ぐなところを探すほうが難しい
ただそれも この旅館を建築物として見るから
歪んでいる・傾いていると思うのであって
私が思うに これは有機生命体
施工の末に出来た建築物ではなく
実は自己増殖する生き物なのではないかとにらんでいます
通常下層の1階部分から作られるのが建築物とすれば
この建物は どこから作り始めたのかイメージ出来ず
上階から下階に延びていっているような
ウネウネと斜面を這い降りる延伸に
尚さら 生命を感じます
私はどうしても建物を見てしまうのですが
お料理も素晴らしく
しかもお酒が旅館とは思えないほど良心的な価格
その上
かなりの知識を持って提供してくれていることがうかがえて
箱物 食べ物 飲み物を 時空のゆらぎとともに
酔いしれる一夜を過ごさせていただきました
伊勢の麻吉旅館
伊勢神宮へ歩いていけるような立地ではなく
最寄りに駅もなく
温泉でも出ていれば…と思うばかりですが
条件が良くないからこそ
安易に建て替えられることなく令和の今まで
奇跡的に生き残ってくれたのかもしれません
ここの維持管理の一助に
また再訪しなければと 思うのと同時に
皆さまにもぜひ一度訪れていただきたい場所として
お勧めいたします
2022年9月
この旅行の2日後に屋根から落ちたものの
伊勢神宮へお参りしたおかげで肋骨1本の骨折で済んだのは
幸いなことと受け止めて
2022年9月
溜まりに溜まった各仕事で
本ブログの更新が滞るとしても
仕事があるだけありがたいと感謝して
今年も残すところ 3ヶ月と少々
江戸時代の旅館と骨折で休養は十分 気力も充電完了です