職業・箱屋  箱を作るお仕事してます
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我々は か弱い

私もいわゆる

工務店のオヤジ というカテゴリーに属する者の一人でして

 

私自身が世間さまからどのように見られているかは

それはそれでこっそり聞いてみたいところではありますが

それとは別に

建築業全般のイメージ向上は必須と思う者であります

 

さて工務店のオヤジ

世間さまのイメージはきっと

 

ゴツゴツとした岩のごときであったり

茶髪・色黒・イケイケの人であったり

狡猾な視線の高級外車乗りであったり

 

工務店の人が登場するドラマ・マンガも少ないのですが

出てくるとすれば おおよそ上記3タイプ しかも脇役

いずれもひとクセありそな 要注意人物扱い

 

つまり工務店の人は どうも怖がられているフシがあるのです

 

「怖がられている」の根拠を思いつかないわけではありませんが

結局のところ 何でしょうかね

見た目っすかね と開き直るしかありません

 

ここで表題の「我々は か弱い」ですが

これに「だからあまりいじめるな」というセリフが続きます

 

このセリフが載るのは「寄生獣」というマンガ

もう30年近く前の作品になることを知り驚いていますが

30年近く前に読んだこのセリフは強く頭に残っています

 

簡単に書けば

人間に寄生した上で人間を主食とする

そんな宇宙から来た生物と人類との闘いが主軸の物語

そして人類よりずっと強者であるはずの寄生獣が

物語の中盤で語ったセリフが 我々は…です

 

 

最近 このセリフが何かにつけ思い出されます

 


もちろん我々建築業者は寄生獣などではなく 一般の社会人で

日々 かなり真面目に

施主さまに喜んでいただく家造りのため

不完全な図面を実体化させる技術と知恵を提供しつつ

設計図書と様々な要求と見積書に翻弄されながら

精一杯の一年を過ごしています

 

ところで 世間の皆さまは我々建築業者が

 

どこかでズルをしていると思いますか?

手抜きをしていると思いますか?

余分に儲けていると思いますか?

 

そう思われても仕方のない事件があることは私も知っています

「建築業者 愛知」と検索するつもりで

「建築業者 あ」 まで入力すると

すぐに「建築業者 悪徳」と変換されるくらいですから

今も被害を受けている人がいるのでしょう

 

ただ手抜きをしても余計に儲けるつもりで見積書を水増ししても

何でしょうね そんな建築業者でも

一瞬は小金持ちにはなれても大金持ちにはなれないのが建築業

効率の悪さとリスクの高さは天下一品の業種です

 

そして悪徳業者がズルズルと消えては現れ

それとは別に

そんな建築業の悪いイメージに引きずられ

悪者扱いとまではいかなくても

どこかで向けられる疑いの目に

優良の工務店や職人さんまでが消えてゆき 辞めてゆく

 

さぁ 今から数十年後? 十数年後?

欲しいと思う家が建てられなくなる

造ってくれる人がいなくなる

 

そんな時代がやって来ますが

どうしましょう

 

 

我々は か弱い だからあまりいじめるな

 

 

まぁまぁの 絶滅危惧種

本来なら保護の対象でもおかしくないのですが

誰も助けてくれそうにありませんし

自己責任のところがあるのも分かっています

 

それが分かった上での

今は 建築業を守る闘いの日々

家造りの未来は 今から自分たちの手で

造っていかなくちゃいけないようです

箱屋について

前回ホームページの「施工実績」を更新したのが

おおよそ3年前の2015年のこと

それ以前は5年も更新していなかったようで

(参照 箱屋にもある

 

箱屋の営業ツールは本ブログとホームページしかないのに

5年ぶりとか3年ぶりとか

 

ヤル気があるのか?

 

と 言われても仕方のないペースで申し訳ありません

 

ありがたいことに施工実績も順当に増えまして

1ページには収まらず 年代別で追うようにいたしました

 

また各現場の写真を開くと設計事務所名も付記してあります

ご興味の設計士さんがお見えになりましたらお声掛けください

 

今回は「施工実績」の更新とあわせて

「箱屋について」のページにも

経歴だとか箱屋の考えとか特徴など記載しようかと思い

 

どれどれ他の皆さんはどんなことを書いているのだろう と

他社さんのホームページをながめるのですが

 

うーん どうにも

「夢」と「想い」と「確かな技術」の

そんな文章を短文にまとめることが出来ず

 

仕事に対して思うところなど

その年 その時期で変わるのですから

固定して書き込むことに抵抗を感じてしまったこともあり

ホームページへの記載は 断念 いたしました

 

その代わりと言ってはなんですが

本ブログのカテゴリーに「箱屋について」を設置して

そこへ思いつくまま書いてみましょうか

 

箱屋の理念とか特徴とか目標とか

住宅建築における情勢やそれに対する所感など…

 

ただ こちらも施工実績と同じで

数年に一度の掲載になるような そんな気がしていますので

先に すいません と謝っておきます

手の値段 適正価格について考える

きっと誰も書かないだろうから
少し私が書いてみようと思います

歴史も規模も 箱屋とは比較するのも申し訳ないほどの建設会社が

主力にしていた住宅建設において
競争の激化から採算性が悪化し
資金繰りに行き詰まり

という結果の末 倒産しました

そこに至るまでにはどれほどの労苦と思索があったことか
それでも現実は
3行で書けるほどの言葉で説明が帰着する事案

箱屋とその建設会社との接点は
設計事務所の設計する住宅において
何度か入札相手として同じ土俵で戦ったことがあるという程度

そしてこれもまた比較にならないほどの価格差で箱屋は全敗

なぜそんなに安価で施工が出来るのだろうか
という疑問を解消出来ぬまま
いや疑問は解消出来ていても
そういう戦い方が出来ずに 入札では負け続けました


時代が連れて来た「競争の激化」は確かにあります
それは私たちのような極めて小規模の工務店にとり
毎日が「競争の激化」という台風であり
「採算性」という低気圧960hpと
「資金繰り」という瞬間最大風速50m/sに
吹き飛ばされないよう踏ん張りつつ
そんな中でも「良い箱を造る」ことを本業・本分とする稼業が
今の時代の建築業だと考えています

つまり 「競争の激化」に飲み込まれ
本分である「良い箱造り」に注力出来なくなった時点で
建築業としての機能は停止するわけで

他業種同様 こちらも
なかなかにハードボイルドな業界なのは言うまでもありません


さて
今 目の前に住宅の図面があるとして
これが適正な価格で施工されているかどうか

と考えた時

どの業界でも 安かろう良かろう の商品は存在し難く
特に膨大な人力を必要とする建築という作業に置いて
価格を下げることは すなわち人件費に直結するわけで

手間ひま掛けず省力化を追求した施工が出来ればいいのですが
目の前の住宅の図面には手間ひまの掛かる作業がてんこ盛りだったりすると
それだけで気圧は10hp下がり 風速は10m/s上がります

そんじゃあ 適正な価格とは? という話になるのですが

私たちが生息する
設計事務所が設計する家造り というジャンルにおいては
身も蓋も無い話で恐縮ですが 適正価格は各戸様々

ただ
適正な価格を知ろうともせずに 適正な価格の根拠も考えずに
設計をしてはいけないし 施工に関わってはいけません

膨大な量の人力を使うということは
膨大な量の知恵を借りられるということでもあります

私は
私の周りにいる多くの職人さんたちの知恵に守られているから
この台風の中に立っていられるのであり
その人達がご飯も食べられないような価格で仕事を請け負うことが
適正だとは思えません


その図面に書かれた一本の線に 何人の手が関わり
そこにどれだけの知恵を注ぐのか

現場に関わる人の手はタダではなく
全ての手に値段が付いているのであり
箱造りに関わる手の本数と知恵の総量が
その箱の適正価格であってほしいと願う者であります