職業・箱屋  箱を作るお仕事してます
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失敗と挑戦と見学会

イカスミをそのまま塗り付けたような

真っ黒な玄関ポーチ

 

 

より黒く というリクエストに応えようと

左官屋さんは 工夫を凝らして挑戦をします

 

 

部材の配合に 当日の気温や湿度

下地の湿潤も関係あったでしょう

写真にも見て取れるように 日当たりの差の影響も大きく

その黒さから来る材料そのものの温度上昇も否定出来ません

 

諸条件考慮の末の施工でしたが

とにかくうまく仕上げることが出来ませんでした

 

 

左下隅に写る 心折れグッタリとした様子の左官屋くんは

私などが手前味噌を加える必要のない

確かな技術を持った職人さんです

 

その彼の判断を信頼した上で 失敗は失敗として受け止めて

次に彼がこの失敗をどうリカバリーしてくれるかを

私はとても楽しみにしています

 

私たちは紙一重のところで

失敗の恐れと向き合い共存する仕事をしています

 

事前にふせげる失敗を回避することは

すべてのお仕事の基本でありますが

失敗を恐れず挑戦することも 同じくらい

お仕事の基本だと思っています

 

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ビニールのひもなど 気にするな

少しずつではありますが

朝と晩に夏の終わりを感じるようになった8月の終わり日

 

新たな現場をスタートさせるべく

節目の行事 地鎮祭へ参加させていただきました

 

 

 

 

 

明るいご夫婦と抱かれた赤ちゃんとそれを見守るお父様

それと夏の風邪で参加出来なかったお嬢さんの分まで

工事の安全・無事の完成・ご家族の健康をしっかりと祈願して

 

念入りの催事も滞りなく納めまし

作業の開始へ向け 暑さでたるんだ気合を入れ直し

 

さて工事 どこから手をつけようかしらんと

ながめる地面に目立つのは

建物の形に張られたビニールのひも

 

幾度見直すも 平行なラインの少なくて

 

 

そして 土地は奥へ向かい すぼまって

 

 

うん でも大丈夫

何せ 施主さまは明るく 土地は平坦

 

斜めに張られたビニールのひもなど

今日のところは 気にしない

わたしのなかでつくる

何やら確認申請が どうとかの どうやらで

手続きが難航しているとの様子

 

現場での 造る が開始出来ずに8月を終えてしまいましたが

何も現場で造るばかりが 造る ではありません

 

この手の箱は

現場で造る以前の 脳内作業が思いのほか重要で

 

まずこの29段が連なる階段を

前もって私の中で造ってみます

 

 

もちろん 私の中でうまく造れないものは

現場でもうまく造れないのですが

 

 

すでに こうして階段を上から見下ろしてトントントンと

軽快に降りてゆくイメージと

 

飲んで帰宅した際には この29段を上りきれず

途中の踊り場で休憩するであろうイメージまで

 

私の中で 出来上がっています

7月29日ですから 暑くないわけがない

今年は順当に梅雨も明けまして

7月の終盤となれば  押しも押されぬ夏のど真ん中

 

 

そんな頃の建前は 

過酷という言葉より他に形容し難く

 

熱中症との隣合わせを想定しながらの

準備を進めて参りました

 

 

 

今回は木造住宅のジャンルでも

接合部に金物を使用する工法で 箱屋初の わたし初

 

 

とは言っても 戸惑っているのは私だけで

大工さんたちは慣れたもの

 

 

 

この暑さの中 グイグイと作業を進めてくれます

 

 

気温の上昇とともに 判断力も鈍りますが

 

 

休憩と水分をしっかり摂りながら

 

 

来年 目にするであろう

夏のオリンピアンになったつもりで

 

 

過酷の作業は 積み上っていきます

 

 

平坦な場所で屋根も一枚であったことは

大きな幸いで

 

 

 

暗くなることもない時間で 作業も完了

誰一人 体調を落とさず完走出来ましたのは

さすがの職人 アスリート です

 

 

大量の飲料と

 

 

昼食時に提供いただいた

設計士氏 持参の なにわ名物 串かつソースが

とかく落ちがちな食欲を増進させてくれたことも

 

アスリートたちの支えになったことでしょう

 

 

 

建前というイベントは

華々しくあるものの 

 

 

工事全体からすれば初期の通過点にしか過ぎません

 

しかし その華々しい瞬間が

完成までの地道な作業をつなげてくれる

 

建前が終わったあとは

いつもそんなことを考えてしまうのです

トリエン夏休み

 

 

 

これは トリエンナーレ

 

 

 

これは 美術館

 

 

 

 

これは トリエンナーレ

 

 

 

 

これは その周辺

 

 

 

 

 

 

 

 

これは 夏休み

 

 

これは 遠雷

 

 

 

これは トリエンナーレ

全貌がようやく

 

ここへ至って ようやく

建物の大きさを実感  把握  つかめるようになりました

 

 

 

土を固め

 

 

コンクリートで場を造り

 

 

レッカー車を使い  荷物を揚げて

鉄筋が組み上がったのが つい先日

 

 

通常カウントダウンは10からスタートするのですが

 

建前までのカウントは 今のところ

20 くらいでしょうか

 

 

それでも各所の難所も 煮え詰まりを見せ始め

20程度のカウントは あっという間に過ぎてしまいそうな

現場の盛り上がりを感じる 今日この頃です

祝 晴れ男

何と言っても 梅雨の真っ只中

担当大工は言わずと知れた 雨男

 

 

そんな季節でも 建前となれば好日にするのが

私の役目 晴れ男

 

 

予定通りの良き日に

建前を迎えることが出来ました

 

 

 

想定はしていたものの

思うより手の掛かる建前になりそうな予感は

 

 

この太い M20のボルトや

 

 

特製の分厚い座金を取付ける際に感じておりました

 

 

低めの1階部分を固めるまでに手間取って

 

 

 

2階部分の 階高4mに手こずって

 

 

まだ夏の暑さに慣れていない体が 少々重く

 

 

それでもこの季節の陽の長さに甘え

暗くなる手前 時間のいっぱいまで

 

 

箱屋初 斜めの柱を持つ箱が

予定のところまで建ってくれました

 

 

 

 

 

 

まだ明けぬ梅雨の空 室内だけはやたら青く

 

そして このブルーシートが外れ

室内の青が空へ移る頃

 

箱の全容を捉え

造るべき方向も見えて来ることでしょう

 

 

設計者の自宅というテーマのこちらの箱

 

最初に声掛けいただいてからこの日まで

まぁまぁの年月があり

それこそ途中 設計変更などもありながら

根気よくたどり着いた 建前の日

 

その思い入れとこだわりを粛々と受け止めながら

 

その上で

私たちの知恵も利用していただければ

施工を頼まれた甲斐もある というものでございます

BBを一滴

BBと言えば

 

キング!と答える人や

フェラーリを思い浮かべる方とか

まさかのブリジット・バルドーと解く御仁など

 

さて 私にとってのBBは

映画「ブルース・ブラザース」の他になく

先日の 太陽の塔 同様 私の中に溶け込んでいます

 

幸いにして 記憶力に難のある私は

同じ映画を何度見ても新鮮に楽しめるという特技があり

 

このたび 午前十時の映画祭で上映された

「ブルース・ブラザース」を

何度見たかこれまた忘れてしまい ありがたく

初回の心持ちで楽しんで参りました

 

もちろん流れる音楽は曲順含め

全て耳の奥に常備されていますし

 

アレサ・フランクリンの不機嫌そうな顔は左目の奥に

レイ・チャールズの発砲シーンは右腕上腕に

そしてパトカーの次から次への大転倒シーンは

いつでも再生可能な前頭葉に

それぞれ配備されているのですが

 

それでも 何度見ても新鮮に見てしまうのが

この映画の素敵なところ

 

もし私に43万円ほどのあぶく銭があったら

Amazonで売られていた

この等身大ブルース・ブラザース フィギュア

 

 

399,600円+送料30,000円を買ってしまいかねないほど

と お伝えしたらその気持を分かっていただけるでしょうか

 

7月上旬に夏風邪の高熱にうなされ

疲労が困憊でヨタヨタの虚弱な体へ

BBを 一滴

 

私にとっては 夏を乗り切り

秋まで行けそうなほどの特効薬でした

手のあとがいっぱい

 

楽しそうな小部屋を持つこちらの箱

 

 

 

 

外観はおおむねの形を見せ始め

 

 

各所多々 手の跡をたっぷりと残しつつ

幾多の打合せを盛り込みながら

 

 

完成へと進んでいます

 

 

 

 

これら写真に載せた各部の納まりが

現実の現場へ はめ込まれるまでに掛けられる時間は

それはもう 気の遠くなるほどで

 

 

まず設計者の元の図面があり

それを現場監督が施工図として

細かな寸法までを詰めた図面に表現します

 

その後 その施工図を再度設計者と調整しつつ

 

ともすればこの段階で違う案が出て来たりして

施工図を書き直したりして

もう一度打合せをしたりして

 

ようやく決まったところで材料を発注し

材料が届くのを待ち

 

届くまでの間 大工さんが施工図を読み取りながら

下地を造るなどの準備をし

 

 

材料が届いたところで

大工さんが加工を始めるのですが

 

 

施工図で寸法を詰めたつもりでも

現場で予期せぬことが起こったり

大工さんが加工を微調整したり

 

 

その経緯の後に出来る この窓枠1ヶ所

 

私はつい手を合わせて 拝んで しまうのです

昭和は遠くなりにけり

大阪と言えば これ

 

 

コレ

 

 

大阪を訪れたのは

前回の大阪万博 1970年以来の 49年ぶり

 

そのころ私 幼稚園児

連れられるがままの人混み・雑踏しか記憶になく

大阪に行ったことがある

などとは とても言えたものではありませんが

 

そんな大阪万博において

私の無意識に沈泥 溶け込んでしまったのが

この 太陽の塔

 

写真を見ただけでワクワクしてしまうのですから

三つ子の魂 恐ろしや

 

 

6月のある日曜日

知り合いの設計士氏に誘われて 「関西若手の仕事」なる

大阪で催された建築の企画展へ

 

普段より東海地方から出ることの無い私ですが

関西の設計・芸風はどんなものかしらんと

興味を持ってのこともありつつ

何よりその設計士氏との久方ぶりの再会を楽しみに

 

そして大阪と言えば あれを見に

 

 

 

49年ぶりに見た彼女は 何も変わらず

 

両手を上げて へそ曲げて

 

往時の日本が 万国博覧会のど真ん中に

これを造り 突き刺したことがあまりに美しく

 

そして残ってくれていることがただ 喜ばしく

 

今回の大阪行で半世紀前の邂逅を回収し

もう半世紀…までは無理としても

あと四半世紀くらい

 

私の無意識に再び塔を埋める旅を楽しんで参りました